小山典子ギャラリー *和*
04/ ちょっと立ち寄ったフェニックス

1996 高知県「砂浜美術館」主催「潮風のキルト展」優秀賞 
古い絹の着物地使用
コンテストの際に添付したコメント
 4年前、相次いで母と祖母はなくなりました。祖母の遺した着物の中には戦争中疎開したした物もあると聞きました。華やかな物、上等な物は食料に変わったとも。「たいした物は何も残っていない。」と嘆いた祖母の言葉も覚えています。
 母の着物は比較的新しく、それを着ている母の姿を思い出すのは容易です。小学校の父母会に着てきてくれた物。お芝居見物の時のは少し派手で劇場ロビーによく合っていた。
 沢山の着物をほどいて洗ってアイロンを掛けるのに友人も参加して3ヶ月かかりました。水道局からは「漏水していないか」と問い合わせがありました。使い過ぎただけです。
 そんな着物たちを全部少しずつ大きなキルトにまとめたら、中のフェニックスが天国に伝えてくれるかもしれません。「母娘の着物、仲良くキルトになっていて作者も元気にしている。」と。